ランドスケープ

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の理念と阿蘇

ランドスケープというのは、見た目の風景だけでなく、そこに住む動植物(生物多様性)や、風土や文化を全て含むことばだと思っています。

九州の中央部にある阿蘇地域(7市町村、約1,080㎢)は、全域が環境省より国立公園に指定されており、国連の機関であるFAO(国連食糧農業機関)により「世界農業遺産」に認定されています。

阿蘇地域のランドスケープは、田畑、草原、森林、河川、集落によって創られています。

特に特徴的なのは草原で、昔は田畑を耕すために各家庭が飼っていたあか牛(傾斜に強い種)を放牧したり、冬場のエサをとったりしていた広大な草原を「野焼き」と言われる火入れ作業によって維持しています。

焼き畑と違って火が短時間で消えるため、地中の根っこやタネや昆虫のタマゴなどが死にません。
むしろ焼くことによって、春先の芽吹きが促され、多様な動植物を育んでいるのです。

牛たちは田畑を耕し、そこに排泄物を落として土を豊かにしてきましたし、燃料や建材を山から得ることで、「里山」が維持されてきました。活火山の麓で1000年以上も続いて来たこの暮らしこそが、阿蘇のランドスケープを生み育ててきたのです。

ランドスケープ
農業
イニシアティブ

化石燃料がない時代から連綿と続いて来た営みや暮らしが創り上げた「ランドスケープ」は、化石燃料の普及で大きく影響を受けました。

「原風景」と呼ばれるような牧歌的な田園風景は、最初は都市化により、最近では過疎化により失われつつあります。

このままでは農村のランドスケープが姿を消してしまいそう!という想いから「ランドスケープを遺すことに繋がる農業」という、新たなカテゴリーを創ることを提案します。

名付けて「ランドスケープ農業」。
それを広めていくために何ができるかは、これから模索していきます。